珈琲屋の人々 池永 陽
目次
・初恋
・シャツのぬくもり
・心を忘れた少女
・すきま風
・九年前のけじめ
・手切金
・再恋
登場人物
行介・・珈琲屋の店主 過去に人を殺してしまう。店に訪れる人々の心に優しく、時には厳しくよりそう
冬子・・蕎麦屋の娘。恋人の行介が刑務所に入っている間に、お見合いに出されてしまう。離婚して帰ってる。本人は浮気をしたと言っているが
島木・・幼馴染。プレイボーイ。行介と冬子の間を戻そうとするが・・。
朱美・・行介が殺した青木の妻。ひどい旦那だったので、行介を責めたりはしないが、あることがきっかけで怒ってしまう
元子・・元クリーニング屋。夫の直道の浮気を見つけ一悶着。実は浮気には理由があって
省子・・家のみたらし団子屋が経営の危機に。そこで自分の身を売って稼ごうとするが
英治・・妻の介護に疲れ、唯一の楽しみが週2回のカラオケ。そこで志麻子と出会い、妻の死を望むようになるが
保彦・・恋人が青木に強姦され殺そうとするが、先に行介に殺されてしまう。決闘を申し込み、過去を越えようとするが
千果・・島木の店で働く若い女の子。島木と司郎と付き合っている。計算高い女だが最後の手切金で
小坂・・朱美に惚れるが、朱美が行介のことを好きなのが気に食わない。死ぬか殺すかの決闘を申し込むが
感想
「これが人を殺した手か」
登場人物のみんなが確認することによって自分の位置を確かめていた
自分よりも下がいることに安心するんですね。
行介自身もそれをわかっていながら珈琲店の店主をやっているんだと思う。
重い過去がある人の言う言葉だからこそ
登場人物たちの心の中にスッと入っていくのでしょう。
サイフォンで作られたコーヒーの描写が美味しそう過ぎて飲みたくなる。
家では飲めないので珈琲屋に行かなければ
商店街の人たちが癒しを求めてコーヒーを飲みにくるんだけど
その時に気軽に過去を共有し
話せる人がいるって言うのは本当に羨ましいことです。
過去に起きた事件は完全には消えないけど
真摯に罪に向き合えば周りも変わっていくのかもしれないですね。
それにしても
冬子との関係はどうなっていくのでしょう?