恋狂い 宇佐美まこと
本の紹介
友人と旅行代理店を経営している四二歳の鞠子は、十一歳年下の男と付き合っているが結婚する気はない。そんな彼女が、亡父から相続した元遍路宿の古民家を訪れ、そこで古い日記を見つける。四国遍路で果てる覚悟の女が戦前に書いたと思われる旅の記録を読み、自身も女の生と性に揺れる鞠子はこの遍路日記に飲み込まれるようになり……。単行本『いきぢごく』を改題。(解説・杉江松恋)
http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=6497
感想
もはやこの物語には人間はおらず、ヒトしかいない
本能に従って生きる主人公
そして関わる人々。
最後の方は内容がぶっ飛んでいて、とても悲しくなってしまう。
因縁からは決して逃れることはできない
遺伝子レベルで組み込まれたものはどうすることもできない。
この血を絶やすしかないのではないか。
二本のからまった竹
この言葉がまさにこの本を一言で表している。
いっそ最後はみんな消えてしまえばいいのではないかと思ったが
それぞれが罪を背負って生きていかなければならず
生き地獄がこれからも続いていくのです。
なんと残酷な物語なのだろうか
でも、人の本質を描くとこうなってしまうのかも。