珈琲屋の人々 宝物を探しに 池永 陽

本の帯より

熱いコーヒーは心を癒す。だからまた飲みたくなる

東京。下町の商店街にある喫茶店「珈琲屋」

そこで語られるのは、滋味に溢れた人間ドラマ

あなたも温まっていきませんか?

目次と簡単な内容

恋敵

行介と冬子の間に医師の笹森が恋敵として参入。行介をたき付けるために行った島木の作戦が裏目に出る。

ヒーロー行進曲

ゆる塾を経営する大樹。子どもの親と対立し、子どもたちと立て篭もることに。

その選択が正しいのか珈琲屋に相談に来る

ホームレスの顔

ホームレスが元の恋人に見えてしまうが髭があり確認できない。元の恋人との間にできた二人の子供を堕ろしたことを周りに知られたくない。そこで珈琲屋で考え事をしていると

蕎麦の味

冬子の母の作る蕎麦の味は、なくなった亭主のものと比べると明らかに落ちている。客足も落ちているのに不安を覚えていたところ娘の彼が医者だということを聞き、行介を遠ざけたい気持ちになるが・・

宝物を探しに

古書を営む若い夫婦、古本屋の作りが重厚すぎて簡単にお客さんが入れる雰囲気ではないと主張する妻。江戸川乱歩の本が揃えば改築してもいいという夫。妻の努力で本が見つかるのだが。

ひとつの結末

恩師が不倫していると打ち明けてきて、しどろもどろする行介。冬子のアドバイスにより恩人は新たな人との人生を歩むことを決めるため、妻と話をつけることに。珈琲屋での話し合いがまさかの修羅場に

恋歌

島木が不倫相手に本気になってしまった。離婚するのかしないのか。

行介にとっては他人の問題なのだが、自分自身の境遇と島木の不倫相手がなんか似ていると感じ・・・

感想

ゆったりな日常に些細な事件。

すごく癒されるのですが

今回は結構波乱万丈物語が多かった気がします

波を感じましたね。

結構重たい話もありました。

相変わらず行介はいい役回りです。

自身に深い心の傷があるからこそ

他人の気持ちに深く寄り添うことができる。

何が良くてどこまでなら引き返すことができるのかを判断することができるのです。

でも恋愛関係にはめっぽう弱い。

そこに冬子が絡んでくるのがこの話の面白いところです

自分から踏み出すことはやはりできない行介でしたが

最後の最後には今までに言わなかった言葉を

冬子にいいます。

表紙の通り

穏やかな日常の中で。

そこがこの作品のいいところだなと思いました。

ドラマ化されていたのにびっくりです。

今だったら西島さんがぴったり役のような気がしています。

冬子は石田さんですかねー

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