白魔の塔 三津田信三

感想

世にも奇妙な物語系のお話です。

「しかしあれは凝立していた。そしてあれは白い人だった」

「白いもんが踊りよるからなぁ」

「白魔」ふと波矢多の脳裏にそんな表現が浮かんだ

普段生活していて「白魔」という言葉が頭の中に浮かんだことがない。

謎の始まりです

第一部 守灯精神

炭鉱で働く人から灯台を守る人に転職した波矢多くん

前途多難です。

灯台に行くためには案内役が必要。

運良くすぐに見つかったのに

案内してくれるっていったのに

ドタキャン

一人で森の中に入らないほうがいいよとアドバイスしてくれるのに

一人で行くと決断してしまう波矢多くん

私だったら絶対にいかない

単純に怪異よりも熊のほうが怖いし。

常に森の中に入っても誰かが追ってくる気配がする

道もわからず日が暮れてしまう

頭の中に野宿がよぎる主人公

怪異よりも熊だって。

野生動物だって。

本当に怖いのは。

正気ですかと思わずつっこんでしまいます。

でもラッキーなことに小屋を見つけて泊まらせてもらうことに

そこには得体のしれない老婆と小娘が。

いやーこれはこれできつい

絶対ねれない

確実に山姥なやつじゃん。

風呂に入れてもらうわけですが、普通なら恐怖でしかない

小娘の足を見てる場合なんてないはず

そして次の日へ

白い布を首に巻きなさいと言われて

布を手渡されます

怖すぎる

布を捨てた途端

襲ってくる怪奇現象

なんなんだこの森は

でもなんとか灯台にたどりつく波矢多くん

でも奇妙なことに人の気配を感じられない

どういうこと?

不気味感マックスです。。

しーんとする感じがとても伝わってくるんですよね。

まさに表現技法の鬼

探し回ってやっと見つかった灯台を守る人たち

ほっと一安心ってわけにはいかないのが三津田信三小説です

「まさかあの白屋に泊まったのか」から

灯台長の入佐加孝蔵さんの話に移ります

第二部 日暮途窮

「ひとがおちたぞー」

なりふりかまわず救出に向かった孝蔵

せっかく助けた少女から心無い一言をうけショック

転勤が新たな赴任地 轟ケ崎灯台へ

ここまで読んで強烈な既視感ととまどい

「え、これ孝蔵?波矢多?」

船の上でこれから行く灯台の怖い話をされて

一緒に行くはずだった仲間が離脱

ありえない異常事態。

そんな仕事を簡単にほっぽりだしていいもんかねぇ

孝蔵さん一人赴任決定(笑)

案内役が見つかり先をともに進むのですが

なぜか途中で失踪

途方にくれ、野宿が頭によぎったとたん

なんと目の前には・・・

もうわかりますよね

あの小屋の出現

そしてそこには・・・(笑)

既視感MAX

お面をつけた二人の女がいたのです。

こんな家に絶対泊まりたくない

次の日普通に灯台につきます

まちのなかで

「新たな灯台守かっこいい」みたいな噂が出回り

とまどいながらも喜ぶ孝蔵

そしてまさかのその人と結ばれるという話

それが今の妻だと

ばれないように灯台の寮にひきこむ様とかもえがかれているわけです

結婚を決意するも

絶対に認められないことをわかっている二人

駆け落ちを決意

違う灯台に赴任し

子供にも恵まれ幸せな時を過ごしていたが

まさかの妻からの一言

「きっとこども奪われると思う」

白い人が周りに現れるようになるのです

これが白魔か・・。

そして子供はついに。

第三章 五里霧中

ここまで話をきいてあまりにも自分と重なりすぎていることに違和感

そして、つながりの謎を解き明かしていく波矢多くん

ここで衝撃的事実が孝蔵の妻、路子さんから告げられて・・・

最後に

最後はネタバレになってしまうのであえて書きません。

でもきっと狐につままれたような顔になること間違いなしです

今までの話はいったい

と思えるくらい大どんでん返し?

いやほんとになんだったんだろう?

島に入った時点で白魔に取り憑かれていたとしか考えられない結末でした。

というか主人公がもはや一種の病気なんじゃないかと思える作品。

思い込みが怖い。

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