魔偶の如き齎すもの 三津田信三
目次
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妖服の如き切るもの
・砂村家、服部家、島豆家、砂村家が坂の上から順に並んでいる。砂村家には共通点が。どちらも長男と次男が死んている。三男だけが生きているという点。その三男がそれぞれの叔父の家に住むという奇妙なつながりがこの物語の始まり。ある日それぞれの叔父が死んでいるのを発見。犯人は三男ではないかと刑事は睨んでいるが、凶器の受け渡しができないことから逮捕に漕ぎ着けることができない。そこで刀城言哉にアドバイスを求めることに
巫死の如き蘇るもの
・刑事に言哉を紹介された女性。女性の兄が自分の村を作りそこから出てこなくなったと言う、ある日その村に殺人犯が逃げ込んだと言う情報が入り、村人と警察が介入。犯人は無事に捕まるが、兄の姿が見つからない。忽然と消えてしまった兄を探して欲しいと頼まれて現地入りする言哉。最後まで一緒に過ごしていたとされる五人の女の供述を聞き、驚愕の事実に気づいてしまう。。
獣家の如き吸うもの
・ある山の坂の上に奇妙な家があると言う。そこに迷い込んだ二人の証言が残された資料をもとに話が進んでいく。どう考えても同じ場所だが、何かが違う。その謎を言哉が解いていく。二つの動物がくっついた像、濃い霧や雨の描写が不気味。
魔偶の如き齎らすもの
・魔を手に入れたものには幸福が訪れる。しかしその後、最大の不幸がやってくる。その像を手に入れたいとする人たちが屋敷に集う。卍作りの展示室の魔偶の前で頭を殴られて倒れている人が発見され事件に。どうやら巷で有名な窃盗団が絡んでいるらしい。祖父江との出会いの物語。
椅人の如き座るもの
・祖父江が取材したイス職人の職場で行方不明事件が発生。その出来事を言哉に話し、解決してもらうことに。烏先輩の久々の登場
感想
短編ながらも重厚な造り
魔偶の話が一番面白かった。
お約束の全員犯人説
一人ずつ疑いながらも違ったらあっさりと「すみません」と言う言哉さんが愛くるしいです
そして新しい怪異に出会った時の猪突猛進感。
最高です。
久しぶりの烏先輩もいい味出してました。
個性強すぎる主人公を取り巻く人たち
全然噛み合っていないのも面白いポイントです