きみのお金はだれのため 田内 学
お金持ちはずるい
だから自分も金儲けを第1に考えたい
進路希望で先生に伝えた主人公
そんな主人公が偶然お金持ちの話を聞くことになり
お金の本質について考えた結果
今までの価値観が変わり、成長していく物語
目次
第1章 お金自体に価値はない
そもそもお金はただの紙である
インフレにならないように、計画的に燃やしている事実からもそう言うことができる。
お金自体にはなんの価値もないのである。
ただ、お金が存在することでみんなが互いにために働く社会になっている
お金があるから、誰かのために時間を使うようになっている
第2章 お金で解決できる問題はない
「稼げるようになれ」
トンカツ屋の父の一言
お客様を神と崇めなければいけないほど卑屈にならないといけない。
「だからお前はそうなるな」と捉える主人公
お金を払う限り、そこに必ず労働が存在する。
自分で解決できない問題を他人にパスしているからである。
払ったことで解決した気になっている
でも誰に解決してもらうかが大事で
お金=選ぶ力を言い換えることができる
生産力がなければ選び先がない
だからお金自体に解決できる価値はないのである。
第3章 みんなでお金を貯めても意味がない
少子化で生産力がどんどん落ちている。
値段よりも使用価値を上げなければいけない
だからインフラなど未来に残せるものに使う必要がある。
第4章 退治する悪党は存在しない
「お金持ちは投資で稼げるからずるい」と感じている主人公
でもよく考えると昔ほど貧富の格差が広がっている世の中ではないことに気づく
みんなを等しく便利にしたものにお金が集まっているだけである。
そして、その便利を簡単に使ってしまう人たちが格差を作っているのである。
また、集まったお金をどう使うかが大事である
投資とはそもそも未来の若者の時間へ行うもの
貯めておくのでは意味がないので、投資を行い未来の発展に繋げていくこと
は重要であると言える。
そしてお金が使われることで税金が発生し、みんなに再分配されていくのである
第5章 社会の謎 未来には贈与しかできない
どうして過去の借金を自分たちが背負わなければいけないのかと怒る主人公
でもその借金というのは、日本を発展させるために使って発生したものである
そしてそのサービスを享受している今の私たち
お金が日本国内にあるかぎり
国のお金が個人に移動しただけと考えることができる
ただ、お金が海外に流れていくのはまずい状況である。
そこは考えなくていけない。
第6章 最後の謎 僕たちは一人じゃない
一人一人が誰かの問題を解決しているから社会が成り立っている
昔は誰かの顔が見えていたが
今はだんだん見えなくなってきている
今一度、
お金で買ったと思うか、作ってくれたと思うか
考える必要がある。
エピローグ 6年後に届いた愛
大学生になった主人公
行動基準はお金でなく、楽しいか楽しくないか
感想
エピローグで小説としての伏線をわかりやすく回収してくれたのが良かったです。
お金の話を対話形式で書いているので、お金の本質について、わかりやすかったです。
改めて、お金を使う場面で、相手に感謝を伝えようと思うし、
簡単に自分の問題を相手に投げないようにしようとも思いました。
読んでよかったと思うことは
お金の奴隷にならない人生を歩むことができることです。
自分の問題は何なのか
結局はそれが大事なんですね
自分で解決できることができれば、お金なんて必要最低限で事足りるということがわかりました。