うまくいかなくてちょうどいい 中谷彰宏
この本は、以下の3つのタイプの人に向けて書かれています。
1. **頑張ることに疲れた人**
2. **やめたいと思っている人**
3. **疲れている人を応援したい人**
目次
第1章 人間関係に疲れたら
笑うことで疲れが取れる
笑うことで心が軽くなり、ストレスが和らぐ。
人間関係で疲れたときは、まず笑顔を取り戻すことが大切。
事情はお互いにある
「こちらにも事情があるけど、相手にも事情がある」との視点が大事。
人はそれぞれ違う背景や状況を抱えており、自分の視点だけで相手を評価しないように心がける。
「裏切られた」と感じるのは、自分の期待が原因
人に対して「裏切られた」と感じるのは、相手が自分の期待通りに動かなかったため。期待や思い込みを押し付けるのではなく、相手をそのまま受け入れることが必要。
これらのポイントを踏まえて、疲れを感じたときには無理に頑張らず、相手の立場も考えながら、笑顔を大切にしていくことが提案されています。
第2章 仕事に疲れたら
1. 仕事が多いことの捉え方
- 仕事が終わらないのではなく、それだけ仕事を任されている:多くの仕事を抱えることは、信頼されている証でもある。ポジティブに捉えることが大事。
2. いい加減な人は疲れない
- 手を抜くと逆に疲れる:仕事をいい加減にすると、結果としてストレスや疲労が増す。逆に、しっかり手間をかけることで、充実感を得て楽しくなる。
3. 苦情やクレームの捉え方
- 苦情はアドバイス、クレームはお困りのお客様:否定的に捉えず、改善の機会や人助けのチャンスとして考えると、前向きな対応ができる。
4. 雑用が多いことの意義
- 雑用だらけ=モテモテ:雑用が多いことは、それだけ頼りにされている証拠。雑用は信頼される人にしか回ってこない。
この章全体を通じて、仕事に対する捉え方を少し変えることで、疲労感を軽減し、より積極的な心持ちで取り組むことができるということがわかります
第3章 コミュニケーションに疲れたら
この章では、コミュニケーションにおける心と体の関係について語られています。
特に、話す内容によって現れる身体に影響が紹介されており、
ネガティブな話だと唇が荒れ、ポジティブな話は、心の状態が身体にも反映されることを示しており、
日常の会話においても意識的に楽しい話題を選ぶことが、
心身の健康につながるというメッセージが込められています
コミュニケーションに疲れると感じるところで、
まず話題の選択を見直し、
心が軽くなるような内容に焦点を当てて、
心身のバランスを整えることが重要であると強調されています
第4章 SNSに疲れたら
この章では、SNSにおける情報のキャッチ方について焦点が当てられています。
特に「嫌悪感のある文章が目に入ることはない。見ているのだ」という表現から、
自分が意識的にネガティブな情報を見てしまっているという検討が行われています。
つまり、SNS上でどんな情報に目を向けるかは、
自分の選択次第であり、無意識にネガティブな内容に目を引くことが多いということです。
この章では、SNSは便利なツールである一方、
受け取り情報次第で精神的な負担となるため、
自らの情報の選択を意識することが大切だというメッセージが込められています。
第5章 恋愛に疲れたら
この章では、恋愛における完璧主義や過度な期待に対して注意が払われています。
誰しも欠点を持っているが、それをすべて修正することは難しいという現実を受け入れる重要性を伝えています。
恋愛に関しては、相手の短い所にばかり目を向けるのではなく、
その人の持つ唯一の所に注目することで、
より健全で満足度の高い関係を築くことができると説かれています。
疲れたと感じるとき、多くの場合、相手自分に対して過剰な期待や思っていることが原因となります。
そのため、欠点を無理に直してしまうよりも、長所を大切にし、
その軸相手との関係を考えることで、
恋愛におけるストレスや疲れを軽減し、
前向きな気持ちで向き合うことができるというメッセージが込められています
第6章 勉強に疲れたら
この章では、勉強に対する疲労感とその原因について考察されています。
やらないことに対して不安やプレッシャーが強くなり、
結果的に疲れを感じやすいという点を指摘しています。
「見られるのではなく自発の見せに変える」という言葉は、
他人の目や評価を気にして勉強するのではなく、
自分自身の意思で学び、成果を見せることが重要
自分の成長や目標のために行われるべきだという考え方が示されています。
この章では、勉強の「疲れ」を軽減するためには、内発的な動機付けが重要であることを強調しています。
第7章 お金のことで不安になったら
この章のこのポイントは「お金に対する不安を解消するための心の持ち方」です。
- 元々なかったものと考える
お金がなくなったり、貯金が減ったりすると、誰でも不安になることがあります。しかし、この不安を軽減するためには、お金を「元々なかったもの」として考えることが大切です。お金は一時的なものであり、それに執着しすぎると心が苦しくなるため、心の負債から抜け出すために「失ったお金は最初からなかった」と捉える発想が役立ちます。 - 貯金はなくなるが勉強と体験はなくならない
お金は使うことで減っていきますが、その代わりに得られる「勉強」や「体験」は消えることがありません。お金で得た知識や経験は、長期的に自分の人生にプラスとなり続けるため、貯金がなくなっても焦る必要はありません。お金は循環するものであり、経験や学びに投資することが本当に価値のある使い方であると強調されています。
金銭的不安に悩むときに、自分の価値を再確認し、経験と学びを大切にするといいです。
第8章 健康が不安になったら
第8章では、健康に対する不安を感じたときに取るべき具体的な行動が述べられています。
- 疲れを取る
体が疲れていると、心も不安になりやすくなります。まずは、十分な休息を取ることが最優先です。仕事や日常生活で溜まった疲労をしっかり解消することで、健康に対する不安を軽減できます。休息は、体だけでなく心のリフレッシュにもつながり、心身のバランスを整えるのに重要です。 - 体を温める
健康を保つために体を温めることも大切です。特に、冷えは体調不良の原因になることが多いので、体を冷やさないように気をつけることが勧められています。温かい食事や入浴、適度な運動を通じて体を温めることで、血流が良くなり、健康状態が改善される可能性があります。
この章では、健康に対する不安に対処するための基本的な方法として、「疲れを取る」と「体を温める」というシンプルなアプローチを提案しています。
第9章 家族に疲れたら
第9章では、家族関係に疲れたときの心の持ち方とコミュニケーションの工夫が紹介されています。
- 家族は最も距離が近い他人
家族とは、最も身近でありながらも、時には自分と違う価値観や考え方を持つ「他人」であるという視点が重要です。家族だからといって常に理解し合えるわけではなく、無理に期待することで疲れてしまうことがあります。家族も一人の独立した存在として尊重することが、心の余裕を持つために必要です。 - 朝起きた時や寝る前は明るい話題を
朝と夜は、1日のスタートと終わりを決定づける大切な時間です。特に、この時間に明るい話題を選ぶことで、家族との関係が良好になりやすく、ストレスを軽減することができます。気持ちよく一日を始めたり、終わらせたりするために、意識的にポジティブな会話を心がけることが推奨されています。 - 子供の自立心の芽生えを理解する
子供が親の言うことを聞かなくなるのは、決して悪いことではなく、むしろ自立心が芽生えている証拠だと捉えるべきです。親が全てをコントロールする必要はなく、子供の成長の一環として、少しずつ自分の意見を持つことを歓迎すべきです。これを理解することで、子供との関係もより円滑になるでしょう。
この章は、家族との関係に疲れた時に、自分を追い詰めず、家族との距離感やコミュニケーションの在り方を見直すためのヒントを提供しています。
第10章 生活に疲れたら
第10章では、生活に疲れたときの心の持ち方とリフレッシュ方法が紹介されています。
- 「混んでいる」のではなく、「賑わっていて良かった」と捉える
忙しい生活の中で、混雑した場所や状況に遭遇するとストレスを感じることがあります。しかし、視点を変え、「混んでいる」のではなく「賑わっていて活気がある」とポジティブに捉えることで、心の余裕が生まれます。小さなイライラを大きなストレスに変えないためには、このような考え方の切り替えが役立ちます。 - 探し物にイライラしない
生活の中で物が見つからないとイライラしてしまいがちですが、モノにも「たまには一人になりたい時がある」と思うことで、気持ちが楽になります。物も自分と同じように「休憩が必要」と捉えれば、余計なイライラを避けることができ、よりリラックスした心で物事に対処できるようになります。 - 自然に触れて疲れを取る
生活の疲れを癒す方法として、自然に触れることが効果的です。自然の中で過ごすことで、心身ともにリフレッシュでき、忙しい日常から一時的に解放されます。自然の美しさや静けさに触れることで、心が安らぎ、リセットされる感覚を得ることができます。
この章では、生活のストレスや疲れを軽減するために、考え方を柔軟にし、自然に触れるなど、心身を癒す方法を取り入れることの重要性が強調されています。
第11章 明日が不安になったら
第11章では、明日に対する不安を和らげるための心の持ち方と、自分の軸を持つことの重要性が語られています。
- 「今日もできた、明日はもっとできる」と考える
明日に不安を感じたときは、今日一日を振り返って「今日もできた」と自分を肯定し、明日もさらに成長できると前向きに考えることが大切です。日々の小さな成功や達成感に焦点を当てることで、未来への不安を軽減し、自己信頼感を高めることができます。 - わからないことは考えない、明日は明日の自分に考えさせる
明日の出来事や未来について、わからないことを過度に考えすぎると、かえって不安が膨らんでしまいます。今すぐには解決できないことに対しては、考えずに「明日の自分に任せる」という心構えを持つことが勧められています。これにより、今できることに集中し、無用な心配から解放されます。 - 見返りがなくても、好きなものは好きなもの
好きなことに取り組む際、必ずしも見返りを求める必要はありません。自分が純粋に好きなことを大切にし、その感情に素直になることが、心の安定と満足感につながります。見返りや結果を気にしすぎると、楽しむことができなくなってしまうため、好きなことを続けること自体に価値を見出すことが大切です。 - 「なりたい自分」がすることはする、「なりたい自分」がしないことはしない
自分の行動を決める軸として、「なりたい自分」が何をするか、何をしないかを基準にすることが重要です。外的なプレッシャーや周囲の期待に流されるのではなく、自分の理想像をしっかり持ち、それに沿った行動を選び取ることで、ブレない自分を築くことができます。
この章では、明日や未来への不安に対処するためには、前向きな姿勢と自分の軸を持つことが必要であることが強調されています。
第12章 生きることに疲れたら
第12章では、生きることに疲れたときの心の在り方と、乗り越えるためのヒントが語られています。
- 助けようとすると元気になれる
自分が疲れているときでも、誰かを助けようとすることで、意外と元気を取り戻すことができます。人を助ける行動には、他者とのつながりや感謝の気持ちを生む力があり、自分自身も癒されることがあります。困っているときほど、他者に目を向けることで、エネルギーが湧いてくるものです。 - 余力を残すと後悔が残る
人生において、全力を出し切らずに余力を残してしまうと、後々「もっとできたのではないか」と後悔が残ることがあります。全力で取り組むことで、たとえ結果がどうであれ、やり切ったという達成感や満足感を得ることができます。後悔を防ぐためには、持てる力を惜しまずに使い切ることが大切です。 - 追い詰められた時に特技に気付く
追い詰められた状況に置かれると、普段は気づかなかった自分の特技や強みが現れることがあります。極限の状況だからこそ、意外な能力や潜在力が発揮され、自分の新しい一面に気付くことができる場合もあります。厳しい状況は成長のチャンスであると捉えられます。 - なりたい自分を持つと解決したい課題が生まれる
自分の中で「こうなりたい」という理想像を持つと、それに向けて解決すべき課題や目標が明確になります。具体的な目標を持つことで、日々の行動が意味を持ち、前に進むための道筋が見えてきます。理想の自分を描くことは、次のステップに進むためのエネルギー源となります。
この章では、人生に疲れを感じたときでも、他者への貢献や全力での挑戦、自分の成長を促す視点が大切であることが強調されています。
まとめ
この本を読んで、毎日の生活の中で迷いや不安を感じたときに、自分を励まし、前向きにさせてくれるメッセージが多く詰まっていることに感動しました。
特に、明日の自分に対する期待感を高めてくれるような言葉がいくつもあり、読むたびに心が軽くなる感覚を得ました。
「今日もできた、明日はもっとできる」「わからないことは明日の自分に任せる」など、
シンプルながらも心に響くアドバイスが、自分を責めずにリラックスして未来を迎えることの大切さを教えてくれます。
また、目の前の課題に向き合いながらも、理想の自分を描くことで、次の一歩を踏み出す勇気を与えてくれる内容でした。
日々の忙しさやストレスに疲れたときでも、この本は、自分を振り返り、より良い自分になれる可能性を信じさせてくれる素晴らしい一冊です。
明日の自分をもっと楽しみに思える、そんなエネルギーをもらえる本でした。
に響くメッセージが、あなたの明日に対する期待感を自然と高め、元気を与えてくれるでしょう。
自己成長を目指す方、毎日に少し疲れてしまった方、そして心に余裕を持ちたい方に特におすすめです。
ぜひ手に取って、明日の自分にエールを送りましょう。