超訳 論語 「人生巧者」はみな孔子に学ぶ 田口佳史
論語のどこがすごいのか。そう聞かれたら私はこう答える
「自己向上を目指す人に、天井知らずで知恵や教訓を授けてくれる、比類なき書なのだ」と
400ページ超ながらも、スイスイ読み進めることができる良本です。
ぜひ手元に置いておきたい本です。
では、本から私が学んだことを記していきます。
目次
巧言令色、鮮ないかな仁
何事も真心を込めて取り組まなければ行けない。表面だけ取り繕おうとする人は覚悟が足りない
p40
トイレ掃除をさせるとその人が本物か偽物かを見抜けるという。
雑用的な仕事に対して
腕をまくり這いつくばって掃除をするくらいの覚悟があるのか。
実際、相応の覚悟をもって取り組む人はそういない。
ほとんどの人が上部だけをなんとなくやっておけばいいでしょ
で雑用を終えてしまう
その気持ちが仕事にも必ずあらわれてしまう。
だから、仕事内容によって態度を変えてはいけない
一貫した姿勢を貫くことが大事ということがわかる。
事に敏
やることをつい先延ばしにしてしまう。
そんな時は事に敏という言葉を思い出そう
早く取り掛かると決めればどんな仕事も早く片付く
特に悪いのは後で調べようとすること
その後がやってくることはない。
今はスマホでなんでもすぐに調べることができる
すぐやろう
未だ貧しくして樂み、富みて禮を好む者には若かざるなり
ひとり家に居て、閑かに日を送り、古書をよみ、古人の詩歌を吟じ、香をたき、古帖を玩び、山水をのぞみ、月花をめで、草木を愛し、四時の好景を玩び、酒を微酔にのみ、園菜を煮るも、皆是心を楽ましめ、気を養う助なり、
貧賤の人も此楽つねに得やすし。もしよく此楽をしれらば、富貴にして楽をしらざる人にまさるべし
p55 貝原益軒 養生訓
お金をかけなくても心が豊かになる楽しみごとがたくさんある
そして毎日を過ごすことができれば貧しさだって楽々に乗り越えることができる
心を打たれる言葉です。
故きを温めて新しきを知れば、以て師たる可し
古典を繰り返し読むことで現代の自分に応用することができる。
古典は現代をよりよく生きるための指南書である。
今の体験と古典を対話させる
そうすることで深い理解を得ながら成長することができるだろう
多くを見て殆うきを闕き、愼みてその餘を行えば、則ち悔い寡なし
たくさん自分で情報を仕入れたり、広く意見を聞いたりすることはいいことだ
だけど裏を取らずにそれを発信してしまうのは良くない
必ず自分の目で見たことだけを発言しなさい。
聞き齧りはいけません
信用を失ってしまいます。
朝に道を聞かば、夕に死すとも可なり
人生で成し遂げる二つのこと
愉快な人生を送ること
健全な社会をつくること
このように明確な目的が決まっていると人間生きやすいかもしれない
その行いは自分を愉快にし、社会を健全にするのか
それだけでいい。
悪衣悪食を恥ずる者は、未だ與に議るに足らざるなり。
強い志を持つ人は自分の外面を飾ることにまで気が回らない
外見ばかり気にする人は内面がない。
内面のエネルギーを高めよう
寢ぬるにしせず。居るに容づくらず
休んでいるときもだらけてはいけない
起きているときも寝ているときもだらしない姿を晒してはいけない
だらしなく寝るくらい疲れてはいけないということ
これを心がけると常に端正な振る舞いをできるようになる。
人格に磨きをかけることができる。
君子は其の言の其の行いに過ぐることを恥ず
自慢はみっともないからやめなさい
いいことは必ず周りから聞こえてくるはず。
だから自分で言っている限りとてもダサいことである
さらに誇大表現するのは最もダサい。
人の己を知らざるを患えず。己の能くすること無きを患う
同期とか自分の身近な人と能力を比べても意味がない
近くにいるという時点で能力はほぼ同じなのだから
だから憧れの人を見つけて
その人に近づけているのか
その人と比べて今の自分はどうなのか
と考えることがひちうよう
そうすると差を縮めるためひたすら努力するしかないから
周囲の評価も気にしなくなるし、
自分を高めることができる。
日に其の亡き所を知り、月に其の能くする所を忘るること無きは學を好むという可きのみ
学ぶこととは何か
新しいことを知ることである
だから寝る前に学びノートをつけることが必要
ほんの些細なことでいい
メモしよう
そして月に一度読み返す。
復習して知識を定着させよう
今まで知らなかったことを知る。
それが学びの本質である
教えずして殺す、之を虐と謂う。戒めずして成るをみる、之を暴と謂う。令を慢にして期を致す、之を賊と謂う。ひとしく之れ人にあたうるなり。出納の吝かなる、之を有司と謂う。
最後にふさわしい一言です。
何も教育していないのに怒ること、これは虐待
陰で上手くいくかチェックすること、これは横暴
締め切りを言わずして守れと怒ること これは賊
知識や情報を出し惜しみすること、これは有司
リーダーはこれをやってはいけない。
逆のことをしよう
終わりに
全部で400超えの超大作
ここで挙げたのはほんの一部にしか過ぎません
読み人によって刺さる部分が違う。
読む人が同じでも、時期によって刺さる言葉が違う。
一冊読み終えて、何も刺さらなかった
ということはおそらくないと言える
論語がなぜ昔から読まれているのか意味がわかりました。
もはや必携の書です。